猛暑で沖縄周辺の海面水温30度超 サンゴ白化の恐れ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 日本列島に猛暑をもたらしている太平洋高気圧の影響で沖縄周辺の海面水温が上昇し、8月以降、広い範囲で30度以上となっていることが16日、気象庁の観測で分かった。沖縄の南の海域では、同月上旬の平均海面気温が平年を1・0度上回る30・3度を記録し、速報値で1998年の最高記録と同水準となった。

沖縄近海では98年、大規模なサンゴの白化現象が確認されており、研究者は「今回も大規模な白化になる可能性が高い」と懸念している。
 気象庁によると、沖縄周辺の広い海域で9日以降、海面水温が外洋ではこれより暖かくならないとされる31度以上になった。平年の沖縄周辺の海面水温は7月下旬~8月上旬にかけて最も高くなる。太平洋高気圧に覆われて晴れ、平年より日照量が多く、風も弱かったことが原因とみられる。
 環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター(石垣島)によると、高い海面水温が続いた場合、サンゴに共生する植物プランクトン「褐虫藻」の活性が弱まり白化現象が起きる。この状態が続くとサンゴの死につながる。
 沖縄気象台は「気温に比べて海水温は下がりにくい。台風などが来ない限り、海面水温は8月末にかけて高い状態が続く」と話している。気象庁は1985年から衛星による海面水温の監視を始めている。