米軍、墜落同型ヘリの飛行再開 事故原因不明のまま


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5日の宜野座村での墜落事故後、初めて飛行訓練をするHH60救難ヘリの同型機=16日午後1時48分、米軍嘉手納基地(金良孝矢撮影)

 【中・北部】米空軍嘉手納基地は16日、宜野座村のキャンプ・ハンセンで発生したHH60救難ヘリコプター墜落事故を受け、見合わせていた同型機の飛行訓練を再開した。事故からわずか11日。米空軍は「訓練飛行を安全に実施できる」としているが、事故原因は不明のままだ。

県や宜野座村、嘉手納町など関係自治体は「遺憾だ」「容認できない」などと反発している。さらに日米両政府が15日、同事故を受け日米合同委員会を開催していたことが16日、分かった。米側は原因解明に時間がかかるとの見解を示していた。
 HH60は計3機が飛行。嘉手納町周辺を何度も旋回したほか、本島北部の米軍基地4カ所に飛来。急旋回をするなど激しい飛行が確認された。
 午前9時半、国道58号沿いにある嘉手納基地格納庫付近でプロペラの回転を始め、同10時前に離陸した。正午から午後1時半までは嘉手納町周辺を何度も旋回。夕方までに比謝川付近や読谷村古堅上空を少なくても9回、陸から海に向け通過した。
 北部では墜落事故が起きたキャンプ・ハンセン、北部訓練場、ブルービーチなど4カ所に飛来。県道70号の横断や急旋回などが確認された。午後6時45分までに全機帰還した。
 再開を受け、県の又吉進知事公室長は「遺憾だ」とし、當山宏嘉手納町長は「言語道断だ。厳重に抗議したい」と話した。
 日米合同委員会の開催は政府関係者が16日、明らかにした。日本側は事故原因の迅速な情報提供を求めた。米側は「原因解明には一定の時間を要するが、迅速な情報提供に努めたい」とした。米軍の調査結果がまとまり次第、日米の外務・防衛関係者が協議し、運用の安全性を再確認する。
英文へ→Kadena resumes HH-60 helicopter flights
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