イノシシがパイン食害 実や芯まで、4500株超


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イノシシによって引き抜かれたパインの葉や芯が散乱するパイン畑=13日、国頭村安波区

 【国頭】国頭村安波区で、パインの株がイノシシに食べられるなどの被害が多発している。区は13日までに4500株以上の被害を確認した。区によると、約30年前に猪垣ができて以降、安波区でこれだけ集中的な被害は出ていないという。

 農家によると、イノシシは果実だけでなく、パインの実がつく芯まで引き抜いている。パイン農家の平識善光さん(78)は「新芽が抜かれると1、2年は実が付かない。収穫が明らかに減る」と行政に早急な対策を求めた。
 安波区には集落内で全長20キロの猪垣があり、毎年区の予算で補修している。2012年には村の補助で2キロの猪垣を増築したほか、20年近く安波で狩猟をしてきた村外の猟師に駆除を依頼するなど対策に取り組んできた。
 ことし2月、猟師の犬が区外の森に侵入したことで、犬を使った猟を村が禁止。4月にイノシシが猪垣を乗り越えて柵内に侵入したため、安波区は犬による猟が効果的として、許可するよう村に要請していた。
 村経済課は、犬を使った猟について「犬の管理ができるものに限って認めるか、村の猟友会に新たに頼むか調整している」とした。
 渋井登志代区長は「今回はパインの育ち具合もよく、農家が意気込んでいた。村と区、担当猟師、村の猟友会と全員そろった話し合いの場を持ちたい」と訴えた。