サンゴに恵みの風 海面水温 広範囲に低下


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 沖縄周辺の海域で外洋ではこれ以上暖かくならないとされる31度まで上昇した海面水温が、台風12号が接近した20日までに30~30・5度まで下がった。気象庁の観測で分かった。

台風の反時計回りの風で海面下の冷たい海水が引き上げられる湧昇(ゆうしょう)現象が原因とみられる。
 沖縄周辺海域では8月上旬の平均海面水温が30・3度を記録し、サンゴの大規模白化が起きた1998年並みの水準となった。白化の再発が懸念され、県内の研究者が台風による海水のかく乱に期待していた中“恵みの風”が吹いた格好だ。
 海面水温は6日以降31度を記録し始めた。17日に沖縄近海に二つの熱帯低気圧が発生し、うち一つが台風12号となった。輪を描くように先島諸島方面に向かったことから、18日以降、広範囲で海面水温が下がったと推測されている。