対馬丸慰霊祭 350人が参加し犠牲者冥福祈る


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対馬丸沈没犠牲者の冥福を祈る参列者ら=22日、那覇市若狭の小桜の塔

 大勢の学童を乗せた疎開船対馬丸が米潜水艦の攻撃で沈没して69年を迎えた22日、那覇市若狭の小桜の塔で慰霊祭(対馬丸記念会主催)が開かれた。

生存者や遺族、関係者ら約350人が参加、亡くなった人々の冥福を祈った。犠牲者らが当時在籍していた小学校の児童でつくる「つしま丸児童合唱団」が合唱を披露した。
 対馬丸事件の生存者で米国在住の宮城マリアさん(84)は一緒に乗船した弟を亡くした。「事件のことを昨日のように思い出す。次々と人が海に沈んで行く光景は、人間の世界の出来事だとは思えない。今後も慰霊祭に参加し、平和を祈りたい」と目を潤ませた。
 対馬丸記念会の高良政勝理事長は「対馬丸事件を水に流せない過去とし、子どもたちがより良く生きられる社会の実現に向け、記念館を中心に平和の発信に努めたい」とあいさつした。
 慰霊祭終了後、事件を題材にした劇「語り継ぐ対馬丸の詩」も披露された。歌と踊りにせりふを挟み、事件の悲惨さを表現した。出演した小禄高校3年の宇座徳人君は「これからも平和の気持ちを沖縄に残せるよう頑張りたい」と話した。
英文へ→Memorial service held for victims of Tsushima-Maru tragedy