米軍ヘリ墜落に抗議 宜野座で1100人参加し村民大会


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米軍ヘリ宜野座墜落事故の原因究明と再発防止を求め、拳を突き上げる参加者ら=22日午後7時15分、宜野座村の宜野座ドーム(花城太撮影)

 【宜野座】米軍ヘリ宜野座墜落事故に抗議する宜野座村民大会(村基地対策協議会主催)が22日午後6時半から、宜野座ドームで開かれた。

抗議の意思を示す赤色のはちまきを頭に巻いた村民や近隣町村の住民ら1100人(主催者発表)が結集し、墜落事故に抗議するとともに、過重な基地負担の軽減を求め、怒りの拳を突き上げた。同日午後6時ごろには、事故機と同型のHH60ヘリが上空を飛行した。事故に抗議する村民大会直前の飛行に、住民からは「大会をばかにしている」と批判が相次いだ。宜野座村が米軍基地被害に対する村民大会を開いたのは今回で5度目。
 大会では、事故原因の究明と再発防止策が講じられるまでの同機種の飛行訓練中止や損害の補償、事故現場の立ち入り調査、オスプレイの即時全機撤収―を求める大会決議が大きな拍手で採択された。
 當眞淳村長は米軍ヘリ墜落事故が村で3度も起きたことに強い危機感を表明。「政治的な主張をするための大会ではない。自らの生命や財産を守るためだ」と訴えた。その上で、「日米両政府に沖縄の基地負担軽減に真剣に取り組んでもらうよう、われわれの思いをぶつけよう」と呼び掛けた。
 意見発表では仲田善光村老人クラブ連合会長、大城武宜野座区長、宜野座中3年の平田哲也君、松田区婦人会の島田久美子さんが登壇した。最後は参加者全員でガンバロー三唱した。
 23日には、村基地対策協議会が県知事や沖縄防衛局などを訪ね、決議文を手渡す予定だ。
 事故は5日に発生。宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン内で、救難救助訓練中だった米空軍嘉手納基地所属のHH60ヘリが飲料用の大川ダム付近に墜落、炎上し、兵士1人が死亡した。事故現場では鎮火後も火災が2度発生した。
 6日には米軍が法的根拠なく事故現場上空の飛行を制限し、国土交通省が米側の制限を追認したことなどに、米軍と日本政府へ批判が相次いだ。
 事故現場は現在も日本側の立ち入り調査が制限されており、村は安全が確認されるまで大川ダムからの取水を停止している。現在、県が同ダムの水質調査や周辺の土壌を採取し、有害物質や放射性物質の有無を調べている。
英文へ→Ginoza residents protest against U.S. helicopter crash