人間らしい生活求め 反貧困キャラバン 那覇で出発大会


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人間らしい生活と労働の保障を求めて約80人が集まった反貧困全国キャラバン2013沖縄出発集会=22日、那覇市の県総合福祉センター

 国内の平均所得の半分を下回る人の割合「貧困率」が16%に上る中、反貧困のネットワークの構築を目指し、全国の民間団体、弁護士、司法書士が呼び掛け、47都道府県でキャラバンカーを走らせる「反貧困キャラバン2013沖縄出発大会」(同実行委員会主催)が22日、那覇市の県総合福祉センターで開かれた。

関係者約80人が参加。反貧困と反基地、平和運動を連動する沖縄独自のつながりを提案し、人間らしい生活と労働の保障を国や社会に求める姿勢を再確認した。
 母子家庭や生活保護受給者、奨学金返済に苦しむ当事者の立場からの意見発表や支援団体の活動報告もあった。生活保護支援九州ネットワークは、全国と連動した生活保護引き下げ一斉行政不服審査請求に向け、生活保護受給者に申立人への参加を呼び掛けた。
 生活保護を受給する母子家庭の母親は、保護を受けまいと頑張ったことで心身のバランスを崩し、いざ受給してみれば受給者への世間の批判に耐えきれないという思いを告白。8月からの引き下げで月額6千円が減ったことから「ささやかな楽しみで家族が笑い合い、自立への活力にしたいという気持ちも許されないのでしょうか」と語った。
 弁護士の大井琢さんは「貧困は人ごとじゃない、いつか自分もそうなるかもしれないという共感をつなげるのが大事だ」と話し、反基地や平和運動と連動したつながりの構築を提示した。
 北海道からも23日にキャラバンカーが出発、2台が11月の大阪到着を目指す。県内参加団体は、沖縄クレジット・サラ金被害をなくす会、沖縄弁護士会、県司法書士会など14団体。
 生活保護引き下げ一斉行政不服審査請求への問い合わせは美ら島法律事務所(電話)098(853)3871、八重の森事ム所(電話)098(951)0250まで。