那覇港ガントリークレーン 設計変更、整備費4億増


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 那覇港管理組合が2014年度までに那覇港新港ふ頭へ新たに設置するガントリークレーン2基の整備予算が、設計変更に伴って予定の20億円から24億円に増えていたことが分かった。

クレーンは構造上、高く造った方が建設費は安い。管理組合は、過去に航空法の制限を超える高さのクレーン設置が特例で認められた事例を踏襲し、建設費を抑えるため新規のクレーンも制限を超える高さで設計したが、国が新たな特例は認めない方針を示しため、高さを低く設計し直した。
 設計変更に伴い事業費が4億円増える。管理組合を構成する県と那覇市、浦添市が予算を追加負担しなければならず、各議会で本年度補正予算での追加経費の承認を得る必要がある。
 船のコンテナ積み下ろしなどに使う新港ふ頭のガントリークレーンは1998年に1号機、2004年に2号機が設置された。3号機を13年度、4号機は14年度までにそれぞれ10億円で整備する計画だった。
 空港周辺では航空法で建物などの高さが制限されており、場所によって制限の高さが違う。
 同ふ頭の2号機の高さは最高で63・2メートルに達し、航空法に伴う同地点での高さ制限58・9メートルを超えるが、国土交通省大阪航空局は、03年に特例で承認した。整備中の3、4号機の高さ制限は68メートルだが、管理組合は当初最高73・2メートルで設計した。
 管理組合は昨年10月に3、4号機も特例を認めるよう求めたが、大阪航空局は認めなかったため、同組合は制限内の67・8メートルに設計を変更。構造強化や部品を大型化する必要が生じ、整備費が4億円増えた。
 管理組合企画建設部の薮中克一次長は「安く造りたいとの考えだったが、結果としてコストが増えてしまった」と説明した。

那覇港新港埠頭に設置されているガントリークレーンの(左から)1号機、2号機=24日、那覇市
空港周辺の高さ制限