せりふ堂々 迫真舞台 沖縄市、こども組踊


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沖縄市内で伝統芸能を学ぶ小中校生総勢100人が出演した「こども組踊」の執心鐘入の一場面=17日、沖縄市民小劇場あしびなー

 【沖縄】沖縄市内で琉舞や三線など伝統芸能を学ぶ小中校生総勢100人が出演した「こども組踊」(主催・沖縄市)が17、18の両日、沖縄市民小劇場あしびなーで開かれた。

「執心鐘入」が披露され、かわいらしくも本格的な指導を受けた迫力ある演技に、感動した観客らは万雷の拍手を送った。
 総勢約50人の歌や三線、箏曲による斉唱で、「安波節」「安里屋ユンタ」などを若々しく歌って幕開けした。
 1部は地謡の生演奏による「かぎやで風」「松竹梅」などの舞踊で魅了した。
 2部の「執心鐘入」は、きらびやかな衣装に身を包んだ出演者が、組踊独特の口調で長いせりふを堂々と披露した。
 若松への恋が成就せず鬼女に変身した、主役・宿の女の鬼気迫る迫真の演技に観客はくぎ付け。寺の小僧同士の愛嬌(あいきょう)ある掛け合いは、観客の笑いを誘った。
 2日間の公演で、計600人近くの観客が集まり大盛況だった。
 若松への切ない恋心を抱く宿の女を見事に演じきった三育小6年の宮里葉月さん(12)は「とても緊張したけど一生懸命に演じた。恋する女性の姿が観客に伝わっていたらうれしい」と笑顔で話した。