ベニアジサシ、3年ぶり繁殖確認 環境省調査


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 【名護】環境省やんばる自然保護官事務所はこのほど、名護市屋我地で1日に実施した本年度2回目となる「アジサシ繁殖状況調査」結果をまとめた。

ベニアジサシの飛来数は87羽で、7月調査の84羽を若干上回ったものの、8月の調査としては過去2番目に少なかった。一方で、幼鳥1羽とひな10羽を確認した。繁殖は3年ぶりで数も例年より多かったが、同事務所は「全体的な繁殖状況は厳しい」とみている。
 今回の調査では、調査開始以来初めて羽地内海側の岩礁でのベニアジサシの繁殖を確認した。一方、これまで営巣していた、屋我地島外側の岩礁での繁殖は確認できなかったとして、同事務所は「外側の岩礁がレジャーなどでかく乱されて繁殖が妨げられている可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
 エリグロアジサシの飛来数は119羽と例年並みだった。しかし7月の調査で確認された大規模繁殖地が放棄されており、人の接近による繁殖状況の悪化も見つかった。
 屋我地島全域とその周辺の岩礁は鳥獣保護区に指定されている。山本以智人自然保護官は「繁殖期の夏場から9月ごろまでは、保護内の岩礁には近づかないでほしい」と呼び掛けた。