県、2万人規模の施設整備へ 大型催事の誘致図る


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 県は、国際商談会やコンサート会場に利用できる県内最大規模の施設整備を計画している。仲井真弘多知事は、現在最大規模の沖縄コンベンションセンター展示棟(収容人数最大5千人)の4倍となる2万人規模を想定する。

那覇空港を拠点(ハブ)とした全日本空輸(ANA)の国際航空貨物事業が活発化しているのを背景に全国の特産品展示会の開催も見込む。規模の大きいMICE(企業の報奨旅行や国際会議など)の受け入れ施設としても位置付ける。県文化観光スポーツ部が今秋、戦略的MICE誘致促進事業の一環で施設規模や場所を調査し、2014年度にも整備に着手したい考えだ。
 仲井真知事は26日、沖縄懇話会との懇談で「大きな交易会をする時には5千人くらいでは狭すぎる。2万人規模を収容する施設が必要」と構想を語った。
 本土と県内の経済人でつくる沖縄懇話会は14年11月には国際商談会「沖縄大交易会」の開催を計画しており、13年11月はプレ大会を開く。国際商談会は、09年に始まったANAの国際物流ハブを活用して全国の特産品を沖縄に集約させてアジアへ輸出する契機と位置付けている。新施設はこの商談会の定例化も念頭に置いた整備となる。
 県内では近年、イベントやMICEの開催が増えている。コンベンションセンターの12年度の全イベント参加者は過去5年間で最高の約89万7千人だった。大規模イベントの需要が高まる中、県内最大の同センター収容人数の5千人を超えるイベントは受け入れ状況が整っておらず断らざるを得ないのが現状で、施設整備は喫緊の課題とされていた。(阪口彩子)