【伊計島=うるま】うるま市与那城の伊計島では6月下旬以降まとまった雨が降っておらず、サトウキビの干ばつ被害が広がっている。
市と消防は22日から10トンタンク車やポンプ車を出動させ散水作業に当たっているが、水分蒸発を抑えるため葉を巻き自己防衛する「ロール現象」や枯死が進んでいる。島のキビ農家は「収穫量はピーク時の3分の1になっている。県やJAにも対策をお願いしたい」と窮状を訴えている。
沖縄気象台によると、伊計島に隣接する宮城島観測点の6月26日~8月26日までの降水量は21ミリと県内で最も少ない。
キビ農家は6月から個人で散水作業を実施してきたが、台風による塩害も重なり、枯死が進行している。7月下旬から始まる夏植えも、ほとんどの農家で進んでいない。
散水作業は午前9時から午後5時ごろまで実施している。10トンタンク車が平安座出張所で取水し、伊計島のキビ畑で1日平均30~40トンの水をまいている。
伊計自治会の玉城正則会長(56)は「これまでは島の東側の畑がリーフに砕けた波の影響で塩害になっていたが、島全体のサトウキビが変色し始めている」と説明する。
60代のキビ農家の男性は「農家個人の力を超えている。県やJAもまずは伊計に来て現場を見てほしい」と訴えた。
市と消防は土日を除く9月2日まで散水作業を実施する。市農政課は「天候を見ながら9月2日以降の実施も検討したい」とした。