教員ら新聞活用法学ぶ 夏休み中、活発に研修


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164人が受講した県立高校10年経験者研修のNIE講義・演習=7月24日、沖縄市与儀の県立総合教育センター

 新聞を教材に活用するNIEの教員向け研修が7、8月の夏休み期間中、各地で活発に行われた。

本年度から県立総合教育センターの出前講座にNIEが位置付けられ、教育行政の夏季研修に講義が盛り込まれたため、より多くの教員がすぐに使える新聞活用の実践例を学ぶ機会が広がった。高校の就職支援担当者向け研修にNIEを取り入れる動きもあり、児童生徒の社会性やコミュニケーション能力を養う手法として新聞活用が見直されている。
 同センターは県立高校10年経験者研修(参加者数164人)に初めてNIEの講義・演習を取り入れた。小中高の社会科短期研修も合わせ延べ220人が受講、読み聞かせなどの日常的な活動や、児童生徒の興味関心、発達段階に応じた活用方法を学んだ。
 参加者は「情報活用能力の欠如が今の高校生の課題だ。世の中の出来事に関心を持たなかったり、意見や疑問があっても発信できなかったりする生徒に対してNIEは効果的だと思う」と感想を寄せた。
 10講座の講師を務めた同センターの甲斐崇研究主事(NIEアドバイザー)は「(受講者が)新聞活用の意義を感じているのを肌で感じた」と手応えを話し、今後の課題に教材研究に向けた学校・学年単位の取り組みや中高校で実践の輪を広げる必要性を指摘する。
 金武町教育委員会は4人のNIEアドバイザーを講師に招き、町内4校の教員63人が1人2種類の実践例を学べる研修を行った。比嘉克章指導主事は「座学中心の研修ではなく、明日から使える実践法を学び、指導力向上と子どもへの還元につなげる」と説明する。
 県キャリアセンターは高校の就職支援担当者向け研修を初開催し、新聞社のNIE担当者を講師にした講座を盛り込んだ。
 赤嶺久美チーフキャリアコーチは「新聞の持つ力が就職支援に必須だと思う。人の話を聞く、考える、発信することは就職活動や仕事の上で大切な能力で、就職活動や早期退職の課題を解決する方法の一つになるのではないか」と指摘している。