県、宮古島市で天然ガス試掘事業開始 県内最深2500m


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天然ガスの掘削開始のボタンを押す関係者ら=31日、宮古島市城辺保良

 県は31日、宮古島市城辺保良で天然ガスの試掘を始めた。掘削開始は県内3カ所の予定地で初めてで、関係者は「宮古経済の起爆剤にしたい」と期待を寄せている。開抗式が試掘現場で行われ、国や県、市の関係ら50人が集まり、工事の安全と事業の成功を祈った。

 掘削をするのは、綜合開発など県外企業4社、県内企業4社でつくる天然ガス試掘事業共同企業体。事業は宮古島における天然ガスや温泉水の性質確認、地質調査などが目的。2014年1月中旬まで、県内の3試掘地で最深となる2500メートルまで掘削する。
 その後14年1月下旬まで生産試験を実施。掘削に並行してことし10月から14年2月にかけて産出されるガスなどを分析する予定だ。
 工事関係者によると、これまで本格的に調査されていなかった宮古島の地質調査も実施する。防災の観点からも有効な情報が収集できるという。
 掘削開始式では下地敏彦宮古島市長ら5人が高さ38メートルの掘削用やぐらの前に立った。始動スイッチを押すと、やぐらに備え付けられたボーリング装置が回り始め、掘削を始めた。
 下地市長は「調査を始めて20余年、ようやく掘る段階にこぎ着けた。発電所のエネルギーを石油から天然ガスに置き換えたり、温泉水を利用したハウス栽培など、幅広い利活用ができるようになる」と期待した。
 南城市では9月中旬、那覇市奥武山では10月中旬に試掘が始められる予定。
英文へ→Exploratory drilling for natural gas in Miyako