オスプレイ着陸失敗 市民ら米軍の隠蔽体質批判


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米ネバダ州で26日(日本時間の27日)に起こった米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸失敗について、米海軍安全センターが事故の規模を最も重大な「クラスA」に分類したことや、最近3カ月で機体が大破するオスプレイの事故が2件発生したことが明らかになったことに対し、市民団体や識者からは「米軍は隠蔽(いんぺい)体質だ」などと批判の声が上がっている。

 26日の事故が墜落だった可能性が高まる中で、海兵隊は「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」の説明を繰り返して事故経緯も明らかにしていない。
 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は26日の事故がクラスAに分類されたことに、県内でも重大事故が起こる危険性に言及。「オスプレイの安全性についてずっと問題を提起してきたが、県民意思が無視されている。沖縄の声は届かないのではなく、日米両政府が聞く耳を持っていない」と話した。
 「通常の事故ならもっと内容が公表されてしかるべきだ」。米軍を監視する市民団体「リムピース」の頼和太郎編集長は海兵隊は事故情報の公開に消極的だとみる。オスプレイについては機体の構造的欠陥が指摘されてきただけに「(これらの事故は)機体の根源的欠陥に関わる問題があったのではないかと疑いたくもなる」といぶかった。
 軍事評論家の前田哲男さんは「いくつもの事故例からオスプレイの脆弱(ぜいじゃく)性、危険性は明らかだったが、もう一つ危険な実例が加わった」と26日の事故を位置付ける。「クラスAへの分類は不時着などでなく墜落と言っていい状況だ。県は強く飛行停止を申し入れるべきだ」と県の強い対応を求めた。