県が各地のしまくとぅば五十音表作成 学校などへ配布


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県が作った「しまくとぅばの森 50音表」

 子どもたちに、しまくとぅば(琉球諸語)に親しんでもらおうと、県文化振興課は8月31日までに、しまくとぅばの五十音表を作成した。日本語の五十音それぞれの言葉から始まる日本語の単語について、本島北部、南部、宮古、八重山、与那国のしまくとぅばに訳した言葉を載せている。

五十音表は、伊江村教育委員会が伊江島の言葉で作った物などがあるが、県によると、県内各地の言葉で作った五十音表は初めてとみられる。
 県のしまくとぅば普及推進計画案では、10年計画の中で2013~15年度を、しまくとぅばに親しみを持たせる期間と位置付けている。五十音表の作成はその取り組みの一環だ。
 五十音表の題名は「しまくとぅばの森 50音表」。例えば「あ」の項目では、日本語の「あたま」について、「チブル」(南部)、「ッチブル」(北部)、「カナマズ」(宮古)、「チィブル」(石垣)、「ミンブル」(与那国)と記し、各地のしまくとぅばを紹介している。
 県は識者の意見を聞きながら8月に五十音表を作った。2千部刷り、800部はイベントで配布した。残りは、県が実施中のしまくとぅばに関する県民意識調査に協力した学校に配る。増刷も検討している。また、五十音表を掲載したクリアファイルを1500枚作成し、9月18日のしまくとぅば県民大会で参加者に配る予定だ。
 県の担当者は「しまくとぅばの表記法については異論もあると思うが、まずは子どもたちに興味を持ってもらいたい」と、作成した趣旨を説明した。問い合わせは県文化振興課(電話)098(866)2768。(伊佐尚記、内間安希)