シティー、売上5%増 沖縄公庫・12年度主要ホテル状況


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客室稼働率、客室単価の推移(ホテルタイプ別)

 沖縄振興開発金融公庫は3日、2012年度の県内主要ホテルの稼働状況を発表した。総じて客室単価が前年を下回ったが、好調な観光需要を背景に稼働率が前年を上回り、単価の下落分を補った。

1室当たりの平均売上高(レブパー)はシティーホテルが前年度比5・1%増の7878円となるなど全てのタイプで前年を上回った。近年は下落傾向が続くレブパーでシティーが前年を上回るのは7年ぶり。リゾートホテルを地区別で見ると、中部だけが客室単価が改善した。
 今回初めてリゾートホテルを地区別で分析した。中部の客室単価は1・8%増の1万9483円。高価格帯客向けの専用ラウンジの設置などの取り組みで客室単価回復を図る動きが出ている。
 ホテルタイプ別のレブパーは、リゾートが3・6%増の1万4424円、宿泊特化型が5・9%増の3972円で、それぞれ5年ぶり、2年ぶりに前年を上回った。
 客室稼働率は、シティーが4・7ポイント増の73・1%、リゾートが2・9ポイント増の70・6%、宿泊特化型が4・7ポイント増の68・2%。格安航空会社(LCC)や海外観光客の増が寄与した。シティーには2千人規模のMICE(企業の報奨旅行や国際会議など)があり好調だった。
 客室単価は、シティーが1・6%減の1万779円、リゾートが0・7%減の2万426円、宿泊特化型が1・4%減の5824円。ホテル間で価格競争が激しい。
 宿泊特化型ではこの2年間で千室規模のホテルが四つ新設されたが、稼働率は上がっており、市場規模は拡大している。
 1ホテル当たりの平均売上高は、シティーが宴会強化で料飲収入が初めて宿泊収入を上回った。
 リゾートホテルの地区別分析では、客室単価は中部以外の恩納村周辺と本部町以北、宮古・八重山の3地域で下落した。稼働率は恩納村周辺が4・2ポイント増の71・6%、宮古・八重山が4・5ポイント増の67・9%とそれぞれ増加し、レブパーも改善した。
 調査先のホテルはシティーが12軒、リゾートが27軒、宿泊特化型が30軒で計69軒。県内ホテルのカバー率は軒数で19・0%、客室数では44・7%。1施設当たりの平均定員数は445人。