クラスA「金額の問題」 米軍機事故で小野寺防衛相


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 【東京】小野寺五典防衛相は3日の記者会見で、米ネバタ州で米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗した事故で、米海軍安全センターが最も被害が重大な「クラスA」に分類したことについて、「クラスAは事故の問題というより損失金額だ」と述べた。

 事故に関する米軍の同分類は機体の安全性や運用の問題というより、金銭面での評価との認識を示したものだが、これまでクラスAの事故率が低いとしてオスプレイの安全性を説明してきた日米両政府の姿勢と矛盾する発言といえそうだ。
 小野寺氏は「航空機の価格は数十~数百億円。事故の損失金額で言えば基本的に全てAになるのでないか」と述べ、米軍はクラスA事故を損害額200万ドル(約2億円)以上としていることから、1機6千万ドルのオスプレイなど高額な航空機事故は全てクラスAになるとの認識を示した。
 だが海兵隊の2006~11年の事故統計ではオスプレイはクラスB(50万~200万ドルの損害や一部永久的な障害が残るけが人が発生)やクラスC(5万~50万ドルの損害や致命的でないけが人が発生)の事故件数がクラスAより多く、海兵隊はこれまでA事故が少ないとして「最も安全な航空機」(ケネス・グラック前在沖米四軍調整官)などとアピールしていた。
 小野寺氏は着陸失敗について「米政府からの報告を待って判断をしたい」と述べ、直接の評価を避けた。