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【神奈川】川崎沖縄芸能研究会(名嘉ヨシ子会長)は1日、組踊部会を発足させた。同会は戦後、いち早く沖縄の芸能の復興を図り、1951年に組踊「執心鐘入」を川崎市で上演した実績がある。
同会は、川崎市での組踊初演から65年となる2016年に市内で「執心鐘入」を再演することを目指し、稽古に取り組む。
1日の開講式には関東一円から約50人が参加した。沖縄から立方の宮城茂雄と地謡の仲村渠達也を招き、ウチナーグチの正確な発音などを学んだ。
名嘉会長は「先輩方が芸能を通して生きる力を付けてきた歴史を知るにつれ、自分たちでも組踊を演じたいと考えた。型もあり、せりふもある組踊に挑戦し、3年後には舞台に立ちたい」と意気込みを話した。
川崎市は大正時代にできた紡績工場に多くの沖縄出身者が勤務し、それを機に県出身者が移住した地。古里をしのび沖縄芸能が根付いている。
戦後は故郷沖縄で混乱が続く中、「沖縄の芸能を守ろう」と米須清仁氏を初代会長に川崎沖縄芸能研究会を結成した。活動が広がり、1952年には「沖縄の芸能」が川崎市の、54年には神奈川県の無形文化財に指定された。
今も会員の半数が関東一円などの出身者で構成され、県出身者に限らず沖縄芸能の広がりを見せている。しかし、近年は琉舞や歌三線が中心で、組踊の上演はなくなっていた。
開講式を視察した狩俣恵一沖縄国際大学副学長(民俗学)は「沖縄から離れた川崎で沖縄の芸能が伝わり、活発に活動していることに興味がある。組踊の広がりにもなれば」と期待した。(島洋子)