いつもの水樹より勇ましさが全面に
アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』の登場人物が劇中で歌う楽曲が7月から3カ月にわたり8作もCDで発売されており、次々とヒットしている。今回は、水樹奈々が声優を務める第4弾を紹介したい。
『月煌ノ剣』は、女性多重コーラスや津軽三味線で時空を超えた雰囲気の中、水樹扮する女侍が駆け抜けるようなアップテンポの楽曲。普段の水樹に比べ、勇ましさが前面に出ている。
『恋の桶狭間』は、『天城越え』風の情念と『夜桜お七』風のリズム感を織り交ぜた台詞入り演歌。幼少期から“のど自慢荒らし”だった水樹なだけに演歌はお手のもので、茶化した雰囲気もなく、それでいてメランコリックなギターも斬新ながら心地よく、閉塞感のある演歌界に一つの形を提唱するようだ。
戦闘系のアニメ主題歌は、勇気づける名目があるためか概して似通ったものが多いが、和のテイストを取り入れることで作品の昇華に成功している。本作を聞けば、異質な要素を取り込むことにもっと挑戦したくなるはず。
(キング・1200円)=つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)
キングレコード (2013-08-21)
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