名護市、内容確認へ キャンプ・ハンセン一部返還


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【名護】日米合同委員会が名護市などに返還することで合意した米軍キャンプ・ハンセンの一部土地は、跡地利用が難しい「細切れ返還」と指摘し、同市や市議会、地元3区などが返還延期要請を繰り返していた。

地元要望に反する形の返還に、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する名護市への「政府の揺さぶりだ」(地元市議)との見方が強い。名護市は対応を協議し、6日、沖縄防衛局を訪れ返還内容を確認する。
 返還予定地約162ヘクタールは同市喜瀬、幸喜、許田の3区にまたがり、軍用地料は年間約1億3千万円。3区はこの土地から分収金を得ている。傾斜地で跡利用が困難として市や地元は返還延期を要請していた。
 返還地の多くを抱える幸喜の佐々木成子区長は「区財源のほとんどが軍用地料。緊急の役員会で対応を考えたい」と困惑した。一方、崎浜一郎許田区長は「許田の地料はわずか」と語るが、隣接する幸喜、喜瀬と協調して要請に加わってきた。「返還ならやむを得ない」と合意を受け止めた。
 返還予定地はヘリ着陸帯などはないが、8月に起きた米軍のHH60救難ヘリ墜落現場から1キロほどの距離。米軍機の飛行経路となっており民間地との緩衝地帯の役割も果たす。幸喜に住む大城敬人名護市議は「辺野古移設に手の打ちようがないから揺さぶりをかけているんだ」と指摘した。