【名護】名護市教育委員会(座間味法子教育長)が、名護市の屋我地島にある屋我地小学校(児童61人)と屋我地中学校(生徒32人)を統合し、新たに施設一体型の小中一貫教育校の設立を目指していることが5日、分かった。
市教委は2016年度の開校を予定している。学校存続のため、豊かな自然環境など地域の特性を生かした小中一貫校設置を検討することになった。
沖縄本島北部や離島などで過疎化による学校の統廃合が相次ぐ中、教育行政が地域事情に配慮した形だ。
実現すれば公立の施設一体型教育校は県内2例目となる。
市教委は18日に保護者との意見交換会を開催する。26日には地域、学校関係者、有識者でつくる小中一貫教育校推進市民懇話会(仮称)も開く予定だ。早ければ、1年内に具体的な教育方針を答申する見通し。
計画を進める市教委プロジェクトチームの上地健主幹は「一貫校設置は地域に学校を残すための方法だ。住民と意見交換して進めたい」と話した。
計画では現屋我地小・中が隣接しているため、当初は両施設を活用する。校舎や体育館の建て替えなどに伴い、小学校側に施設の一体化を進めるという。
複式学級化を防ぐため、通学区を弾力的に拡大する市の小規模特認校制度導入を検討している。豊かな自然に囲まれた環境を生かしたマングローブや野鳥の研究、伝統の塩作りなど実践的な教育を進める案があるという。
屋我地区長会会長の古堅宗正・済井出区長は「島から学校をなくしてはならないとの思いがある。特色ある学校をつくってほしい」と話した。(仲村良太)