貘の肉声聴き入る 宜野湾でイベント 帰郷時に録音


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 「山之口貘生誕110年祭」(同実行委員会主催)の前夜祭が6日、宜野湾市のカフェくろとん(琉球館)で開かれた。貘が1958年に35年ぶりに帰郷した際、泊港で記者団の質問に答える肉声が公開され、琉球文化研究所研究員の後田多敦さん(51)が解説した=写真左。録音テープは、関係者から後田多さんらが譲り受けていた。

 貘は泊港で沖縄について「ずいぶん変わった。沖縄に来たという実感とは多少遠いものがあった」「どこかにもう一つ沖縄があるんじゃないかという気がした」などと語っている。
 後田多さんは「朗読だけでなく、話し言葉の貘をどう残すかという点も自覚的に考えなければならない」と話した。
 同イベントは8日午後1時から貘の長女・山之口泉さんを囲む懇談会、8日午後7時から泉さんや県内の詩人が登壇する朗読会などがある。会場は宜野湾市嘉数のカフェくろとん。問い合わせは(電話)098(943)6945。