新生キングス好発進 bjプレマッチ


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 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスは7日、宜野湾市立体育館で岩手ビッグブルズとプレシーズンマッチを行い、80―58で勝利した。キングスは立ち上がり、シュートチャンスを生かせず岩手にリードを許す苦しい戦いを強いられた。

第2クオーター(Q)に入ると、小菅直人や山内盛久のアウトサイドショットが決まりだし、新戦力のキブエ・トリムやスクーティー・ランダルがインサイドで得点、39―26とリードして前半を終えた。第3Q以降も山内らの活躍で点差を広げ、最後まで流れを渡さなかった。岩手との第2戦は8日午後2時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス
 80―58(9―12,30―14,22―10,19―22)
岩手ビッグブルズ

◆一丸攻守 開幕へ手応え
 新生キングスが初陣を白星で飾った。アンソニー・マクヘンリーや岸本隆一、山内盛久など昨シーズンからのメンバーに加え、キブエ・トリムやスクーティー・ランダルら新戦力が攻守で存在感を示した。まだまだ課題はあったものの、シーズン開幕に向けて順調な滑り出しとなった。
 立ち上がりは苦しい戦いだった。第1クオーター(Q)はうまくボールを回せてもシュートを決められず、得点はわずか9にとどまった。「オフェンスで消極的になっていた」と伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は振り返り、「怖がらずにどんどん攻めよう」と選手を鼓舞し続けた。
 第2Qに入ると硬さが取れ、小菅直人のアウトサイドショットなどで逆転に成功した。ランダルは積極的にリバウンドに絡み、実力の高さを見せつけた。岸本はポイントガードとしてゲームを組み立て、第2Qにはブザービートを決めて会場を沸かせた。
 試合を終えた伊佐HCは「ディフェンスでは練習でやったことが、できていなかった」と課題が見えた様子だ。それでも「ベンチもコートの選手も一丸となっていて、今年のテーマである団結の力が出せていた」と確かな手応えを感じている。「自分たちのやりたいバスケを貫く」と語る伊佐HCの瞳に、これから始まるシーズンを戦い抜く強い決意がこもった。(平安太一)

◆与那嶺、古巣相手に輝き
 岩手に移籍した与那嶺翼が古巣のキングスを相手に力強いプレーを見せた。巧みなボール回しでチャンスメークし、仲間をもり立てる姿はキングス時代と変わらなかった。
 「今日の試合を心待ちにしていた」という与那嶺がコートに立つと、会場を埋め尽くした大勢の観客から大きな拍手が沸き起こった。試合ではキングスの激しいディフェンスを受けたが、「負けたくない」と強い気持ちで立ち向かった。
 勝利を逃し、「いいプレーをしようという気持ちが空回りした」と反省する。「ステップアップしていいプレーを見せることが恩返しになる」と力を込め、「気持ちを切り替えて、次は元気なプレーを見せたい」と引き締まった表情を見せた。

キングス―岩手 第4クオーター、ジャンプシュートを放つ岸本隆一=7日、宜野湾市立体育館(桑原晶子撮影)
キングスを相手に力強いプレーを見せる岩手の与那嶺翼