厳かに豊穣祈り 伊平屋で伝統ウンジャミ


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船送りの儀式をするハンズナたち=8月23日、伊平屋村

 【伊平屋】豊漁豊作を祈願する田名区の伝統行事「ウンジャミ」が8月23日、同区内で行われた。
 午前10時に田名神社に新垣正順区長、神主、ハンズナ(神人)たちが集い、神社前で船送りの儀式を行った。

その後、村はずれのマジキナにあるハンタで神送りの儀式を終えた。
 琉球王朝時代、交易の港だったアハシ浜へ移動するヌイシジチ(馬行列)やアハシ浜での礼拝の後、海岸岩場から海へ向かって一斉にオー(ダンチクの葉)を投げ入れる見送りの儀式を行った。字史によると田名区のウンジャミは、喜界島のノロ(祝女)が首里に向かう姿を見送った時の祭りであり、豊漁や豊年祈願のみを祈る本島北部地域のウンジャミと異なるという。
 夕方に再び田名神社へ集まった神職たちは、豊漁豊作の歌「テラコグチ」を歌って五穀豊穣(ほうじょう)の年を祝った。新垣正順田名区長は「ウンジャミを無事終えることができ、豊穣の年を歓待する」と礼を述べた。
(野甫英芳通信員)