障がい者の就労応援 浦添市、研究集会で在り方論議


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就業体験報告や就業支援事例などが報告された浦添市障がい者就労支援研究集会=4日、浦添市庁舎行政棟講堂

 【浦添】「働きたい想いを支え続けるために」をテーマにした「浦添市障がい者就労支援研究集会」(浦添市など主催)が4日、同市庁舎行政棟講堂で開催された。

鏡が丘特別支援学校、大平特別支援学校の進路指導教諭からの提言や、生徒、卒業生自身が就労体験を通して感じたことを発表。シンポジウムでは企業、就労支援センター、相談支援事業所の立場から障がい者就労支援について意見交換した。福祉関係者ら約140人が来場し、熱心に聞き入っていた。
 鏡が丘特別支援学校進路指導の上原夕佳教諭は、就業体験などを通し、企業側に障がい者を受け入れる態勢が十分には整っていないなどの課題を挙げながら、「履歴書や面接では本人の能力は分からない。実習を通して能力を見てほしい」と要望し、「つながる」を就業支援のキーワードに挙げ、地域社会、企業と連携を強調した。
 同校高等部3年の仲地由衣さんが自身の就業体験について報告。「職場の中に介助者が必要だが、お互いの理解を深める中で変わっていく。障がいがあってもなくても暮らしやすい社会をつくっていくために私にできる仕事を探したい」と意欲を語った。
 また大平特別支援学校卒業生でみなと食品沖縄で勤務する川平幸一さんは「分からないことは必ず上司に聞き、報告や確認が大事」と強調、「現在の職場で働き続け、オートバイの免許を取得したい」と目標を語った。
 シンポジウムでは那覇市のジョブサポーターの取り組み事例も紹介され、障がい者の職場定着支援、モチベーション向上やストレスを軽減するための余暇活動支援の重要性なども報告された。