1045人、入園可能 那覇市、待機児童の解消期待


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
待機児童解消に向けてのアンケート

 待機児童解消に向け、那覇市園長会(高良桂子会長)はこのほど、所属する認可園61園を対象に受け入れ園児数を増やすことが可能かアンケートを実施し、新たに1045人の受け入れが可能であることが分かった。

この人数は各園が分園や第2園設置、増築などの対策を実施した場合の総数。市の公立保育所、認可保育園の入所待ち状況は844人(9月1日時点)で、単純計算では待機児童の解消が実現できる。待機児童対策に、現場の園長も声を上げ始めており、那覇市こどもみらい課は「積極的で頼もしい。今後の計画の参考にしたい」と評価した。
 アンケート結果は園長会が8月1日に那覇市長、9月4日に市議会議長に提出した待機児童解消を求める陳情書に添付された。園長会は、これまでも毎年、待機児童の解消を求める陳情を行ってきたが、文書中心のものだった。今回は認可園が「柔軟に対応し、あらゆる角度から努力すべきだ」との立場で独自のアンケートを実施し、具体的な方策を示した。
 本園の近くの空き店舗などを利用する分園設置を希望したのは6園で、0歳39人、1歳75人、2歳75人、3歳24人、4歳12人の計225人の受け入れが可能とした。
 独立した別の園、第2園設置を希望したのは5園で、0歳36人、1歳72人、2歳84人、3歳97人、4歳100人、5歳40人の計429人の受け入れが可能と回答した。
 ほかに増築希望が2園あり、それぞれ現状の90人が110人、120人が140人と、新たに計40人が受け入れ可能とした。単純に定員増が可能な園は15園あり、0歳60人、1歳62人、2歳51人、3歳41人、4歳28人、5歳34人。ほかに園舎の改築ができれば定員増ができる園が2園あり、それぞれ55人、20人の受け入れ増が可能で、計351人となる。
 園長会は陳情書で現状の年間2園の改築に対し、4園への増加と、保育士の処遇改善による人材不足解消も求めた。
 保育士は県内の有資格者1万6千人の約半数が働いておらず、保育士不足で園児の受け入れができない状況を訴えている。保育士不足について園長会は(1)特別保育事業の多さ(2)途中入所児童が多い(3)仕事内容が厳しい(4)記録物が多い(5)収入が低く時間に余裕がない(6)仕事に希望や生きがいを持てない―などの理由を挙げた。