もりおさん(宮古島)佳作 児童文学ファンタジー大賞


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もりおみずきさん

 第19回児童文学ファンタジー大賞(絵本・児童文学研究センター主催)の選考結果が発表され、もりおみずき(本名・友利昭子)さん(68)=宮古島市=の「かしかけ」が佳作に選ばれた。

同賞は国内のファンタジー作家の登竜門に位置付けられ、今回は全国から200作品の応募があった。大賞は16年連続で該当作がなく、佳作の選出は3年ぶりだった。
 もりおさんは琉球新報児童文学賞、琉球新報短編小説賞の受賞者で、現在は同児童文学賞の選考委員を務めている。もりおさんは「宮古島のことを物語として書き残しておきたいと考えている。これからも宮古島のこと、沖縄のことを題材に見いだして書いていきたい」と喜びを語った。
 タイトルの「かしかけ」は宮古上布の糸を巻き取る作業のことだ。作品では現在と明治期の宮古島を舞台に、2人の少女の出会いと時空を超えた命のつながりが描かれる。もりおさんは「宮古上布の織りの工程と重ね合わせて、一人の人間にはたくさんの人の思いが込もっていることをテーマにした」と語った。
 児童文学ファンタジー大賞の選考委員は斎藤惇夫、工藤左千夫、藤田のぼる、高楼方子、中澤千磨夫の各氏が務め、最終審査に残った4作品の選考が8日に行われた。授賞式は11月に北海道小樽市で開かれる。