高江に外来帰化植物 ヘリ着陸帯工事現場


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 東、国頭両村にある米軍北部訓練場一部返還に伴う東村高江のヘリ着陸帯移設工事の現場に、アメリカハマグルマなどの帰化植物が侵入していることが10日、分かった。

県環境影響評価審査会(会長・宮城邦治沖縄国際大学教授)が8月に実施した現地調査で確認した。審査会は工事現場の環境影響評価(アセスメント)を検討し、9日に県に答申した。その中で帰化植物の侵入により「貴重なやんばるの生態系のかく乱が懸念される」と指摘、駆除と環境保全措置を国に求めた。
 県によると、これら帰化植物の侵入原因は特定できていない。
 また、審査会の答申は、自然環境への影響を最小限にする観点から、国はMV22オスプレイの訓練の影響を考慮し、環境影響評価を再度実施するよう求めている。
 具体的には、オスプレイの騒音や低周波、排出ガスの風圧と高温排気熱などによる影響を懸念する。再調査を求めているのは(1)高江集落への生活環境への影響(2)鳥など繁殖やコミュニケーションの阻害の影響(3)マント群落や樹木などの損傷の可能性(4)火災や乾燥化による動植物への影響―の4項目。
 防衛局が自主的に実施したアセスメントでは、着陸帯の使用機種はCH53大型輸送ヘリを参考にした。宮城会長は「オスプレイとエンジンの性能が異なるCH53を参考に『影響が小さい』とする防衛局の説明はおかしい。オスプレイの訓練を踏まえた影響の再調査を強く求めたい」と語った。