舞台彩る 女性の力 「南ぬ島 八重山の歌と踊り」公演


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女性の八重山芸能関係者が流派を超えて集結した「みぃーどぅんの祭典」=8日、那覇市のパレット市民劇場

 南(ぱい)ぬ島石垣空港開港記念公演「南ぬ島 八重山(やいま)の歌と踊り みぃーどぅんの祭典」が8日、那覇市のパレット市民劇場で開催された。

本島在住の八重山芸能関係者200人弱が流派を超えて出演。出演の機会が少ない女性地謡の育成も兼ね、舞踊、地謡、舞台スタッフ全てを女性で運営した。舞踊、独唱ともに見応え、聞き応えがあり、みぃーどぅん(女性)の力を感じさせる舞台だった。
 独唱は呉屋勝子、玉城万夕、比屋根孝子、澤井毎里子、東智美、具志恵、平良洋子、杉田園、嘉手苅希生、内間悦子、神村るみ子が務めた。平良は「与那国しょんかね」で、寂寥感のある声を切々と聞かせた。愛する人との別離を歌う「与那国―」は、女性の声が適しているように思えた。
 内間は三線を弾きながら「とぅばらーま」を独唱。神村は三線を弾かず、座波雪子の笛だけで「道とぅばらーま」を歌った。音をそぎ落とすことで、八重山古典民謡の素朴な美が強調された。それだけに、緞帳(どんちょう)の向こうから、次の演目の準備をしている音が漏れていたのは惜しまれた。
 舞踊は勤王流八重山舞踊保存会、八重山舞踊勤王流祥吉の会、同流祥吉範乃会、柳清本流末の会、八重山伝統舞踊勤王流恵の会が出演し、「高那節」「巻踊り」などを踊った。箏は八重山古典民謡箏曲保存会などが務めた。