「ＤＶＤ＝１」２ＣＥＬＬＯＳ『炎のライヴ～ライヴ・アット・ザグレブ』

チェロに光を当てた２人の功績は大
　現代でもっとも名を知られるポップス系チェリストといえば、この２人。クロアチア出身のステファン・ハウザーとルカ・スーリッチからなるトゥー・チェロズだ。２０１１年に２台のチェロのみで演奏したマイケル・ジャクソンの『スムーズ・クリミナル』の映像を動画サイトに投稿すると、噂が噂を呼び、エルトン・ジョンのツアーに呼ばれるなどして瞬く間に時の人に。

　アリーナ級の会場でやりたかったという夢を叶えるかたちで、２０１２年６月１２日にクロアチアの首都ザグレブで行ったライブを収録している。第１部ではオーケストラを従え、デュオやソロでクラシックやカバー曲を演奏。プロの音楽家としての腕前を明らかにする。
　そして、大多数の観客が待ち望んでいたロックの名曲のメドレーへ。ガンズ・アンド・ローゼズの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』から『ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー』（Ｕ２）、『美しき生命』（コールドプレイ）、『フィールズ・オブ・ゴールド』（スティング）といった多彩なラインナップを、２本のチェロにドラムを加えただけの構成で情熱的に演奏してみせる。
　チェロという目立たない楽器に光を当てた２人の功績は大きい。ただし、２人のルックスのよさも人気の理由に含まれるのは間違いない。
　（ソニー・３９９０円）＝小西樹里
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小西樹里のプロフィル
　こにし・じゅり　１９７７年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、２００６年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論／動静ウオッチャーでもある。
(共同通信)