異様な覆面バンドの音楽は突き抜ける爽快感
20世紀に科学の力で誕生したオオカミの頭と人間の身体を持つ究極の生命体…そんな設定がされている男性5人組ロックバンド。通称マンウィズ。リアルに作り込まれた毛並み、目、口を持ったオオカミの頭と全身黒ずくめの姿が異様な雰囲気。笑えない。
2013年5月6日に日本武道館で行われた、「TOUR 2013~あなたの街に19ヨツアー完全版FINAL~」の映像を収録。メンバーの名前も、トーキョー・タナカ(ボーカル)、ジャン・ケン・ジョニー(ギター)、カミカゼ・ボーイ(ベース)、DJサンタ・モニカ、スペア・リブ(ドラム)と、もはや意味不明を超えて意味深なものを感じる。
そんな覆面バンドがどんな音楽を奏でるのかというと、英語と日本語が入り交じる歌詞はストレートでクセがなく聞きやすい。突き抜けるような爽快感がかっこいい。顔を出さないのには、何か業界的な裏事情があるとしか思えない。
2枚目の「トーキョー・タナカ 腕相撲バトルに挑戦!!」というドキュメンタリーもかなり謎だが、不真面目なくだけた存在感が魅力だ。
(ニッポンクラウン・初回限定盤4300円)=小西樹里
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小西樹里のプロフィル
こにし・じゅり 1977年生まれ。米東海岸で高校・大学時代を過ごす。雑誌編集を経て、2006年よりフリー。音楽、本、映画、演劇、写真、ラジオなど文化系を守備範囲とする一方、国際政治論/動静ウオッチャーでもある。
(共同通信)
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