宮良琉大名誉教授、うちなーぐちの文法手引書作成


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作成中の「うちなーぐち文法と語法の手引書」を紹介する宮良信詳さん=11日、北中城村

 うちなーぐちの研究と普及に取り組む宮良信詳・琉球大学名誉教授が、うちなーぐちの文法と語法をまとめた「うちなーぐち文法と語法の手引書」(仮称)の作成に取り組んでいる。既にA4用紙で600枚ほど書いた。

最終的に約700枚にまとめ、来年中にも出版する考え。宮良さんは「うちなーぐちを学ぶために必要な文法と語法をまとめた書籍がないのが現状。普及させるには、このような手引書が必要だ」と完成に向けて意欲を語った。
 手引書は那覇と首里の言葉を中心にまとめている。一般的な辞書と異なり、うちなーぐちの名詞、動詞、形容詞といった単語別に豊富な「例文」を用いて語法を説明するなど、分かりやすく学べるよう工夫した。うちなーぐちの仕組みやあいさつ表現例も盛り込み、教える人、学ぶ人のために実践的な文法書を目指している。
 那覇市文化協会うちなーぐち部会長やNPO沖縄語普及協議会顧問などを務める宮良さんが、手引書の作成に取り組み始めたのは5、6年ほど前。うちなーぐちを学んだり、教えたりする上で、必要な事項を網羅した本格的な手引書がなく、自ら作成することを決意した。
 また、復興が進む「ハワイ語」の教育現場を視察した際、小学校低学年向けの簡単な教材はあったが、高学年以上では英語の教科書にハワイ語の翻訳を貼り付けたものが使用されている実態があったという。宮良さんは「ハワイでも文法書の必要性が指摘されていた。誰かがこのような手引書を作らないといけないという使命感もあった。広く一般に活用される書籍を作りたい」と意気込んだ。(外間愛也)
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