しまくとぅば「日常で使う」35% 県が初の意識調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県文化振興課は13日、県庁で会見し、しまくとぅば普及推進事業の一環で実施した「しまくとぅば県民意識調査」の結果(速報値)を発表した。しまくとぅばの使用頻度について「主に使う」が10%、「共通語と同じぐらい使う」は25・4%で、よく使う人の割合は35・4%にとどまった。

「あまり使わない」は27%、「全く使わない」が14%で、合わせて41%を占めた。「あいさつ程度」は22・6%だった。使わない人の割合がよく使う人より多く、しまくとぅばが薄れつつある実態が鮮明になった。県によるしまくとぅばの意識調査は初めて。
 使用頻度を年代別に見ると、40代以下では「主に使う」が5%を切り、「共通語と同じぐらい使う」を含めても20~30%程度で、若い世代が突出して低い。
 理解度については「よく分かる」が24・1%、「ある程度分かる」は44・1%で、計68・2%。「あまり分からない」は24・8%、「全く分からない」が6・3%で計31・1%。使用頻度と比較すると、言葉を聞いて理解はできるが、話せない、もしくは日常的には使わないという層が一定の割合で存在しているとみられる。
 しまくとぅばへの親しみや日常生活での必要性、子どもたちへの継承を問う設問では、「どちらかと言えば」などを含め80%前後が肯定的な回答をしている。
 一方、地区別では石垣地区がほとんどの項目で低い数値が出ており、県文化振興課は「理由が分からないため、調査結果を分析したい」と話した。
 県は本年度「しまくとぅば普及推進計画」を策定し、2022年までの10年で、しまくとぅばの使用頻度を「あいさつ程度使う」まで含め30ポイント上げることを目標にしている。
 調査は7月から8月にかけて、小中高生1110人、20~70代1522人を対象に実施した。年代による偏りが出ないよう、母数に年代別の人口構成比を反映させて数値を調整した。

「しまくとぅば」を話す程度について
「しまくとぅば」の理解度