日台漁業協定、県が操業実態調査へ 水域内ルールに反映


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 県は10月をめどに、日本と台湾の漁業協定の適用水域における日台の漁船の操業実態調査に乗り出す。県が所有する漁業取締船を活用する。収集した情報は、県も委員として参加する「県日台・日中漁業問題対策等漁業者協議会」(会長・国吉真孝県漁業協同組合連合会長)での操業ルール作りに役立てる。

9月の補正予算案に「漁業取締監督費」として726万円上積みすることを提案する。
 調査水域は久米島から宮古諸島、八重山諸島、与那国島までを網羅し、日台漁業協定における適用水域の境界ライン周辺が中心。収集する情報は沖縄と台湾のほか、県外や中国などの漁船も含め、調査水域を航行する船の規模や隻数、操業水域、漁法などを調べる。使用する県所有の漁業取締船「はやて」(61トン)は乗組員5人。
 2013年度は年度内に最大3回の調査を実施し、14年度も予算の計上を予定している。県内漁業者からの聞き取り調査も実施し、より具体的な操業実態の把握に努める。
 日台・日中漁業協定について検討する「県日台・日中漁業問題対策等漁業者協議会」は12日、那覇市内で初会合を開き、今後操業ルール作りを加速化させていくことを確認した。収集した情報はルール策定に最大限活用する。
 県は、沖縄と台湾の漁業者による会合の開催費を「漁業取締監督費」で賄えるよう予算を組んでおり、ルール作りを後押しする。
 県水産課の担当者は「沖縄と台湾の漁業者がルールを話し合う上で、操業実態が分かれば適用水域でのすみ分けなどもできるかもしれない」と、調査の効果に期待した。