米海兵隊移転、有力候補地外す 史跡、自然で地元反対


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 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】在沖米海兵隊のグアム移転事業に伴う実弾演習場の建設について、米軍は13日までに最有力候補地としていたグアム島北東部のパガット地区を候補から外す方針を明らかにした。先住民の史跡や自然遺産があることから地元の反対が根強い。

 米軍は2015年初めに最終決定する予定。グアム政府の発表によると、空軍アンダーセン基地内が新たな有力候補地となっている。グアムのカルボ知事はこの方針を歓迎し、移転事業の前進にもつながると述べており、グアム移転事業の進捗(しんちょく)に影響する可能性もある。
 一方、米上院は移転事業について「費用積算がずさん」として、国防総省が基本計画を提出するまで関連予算を凍結すると表明しており、行方はなお不透明だ。
 カルボ知事は12日の声明で「パガットを候補地から外すことは、正しい方向への大きな一歩だ」と述べた。米軍はグアム政府に対し、海兵隊員の宿舎建設についても、既存の基地内を候補にしていると伝えた。