来年9月 沖縄で「危機言語学会」 国内初開催


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 絶滅の危機にひんしている言語を研究し、認知度の向上や活用・記録保存の支援を目的に活動する国際的な学術会議「危機言語学会」の第18回大会が、2014年9月17~20日に沖縄で開催されることが15日、分かった。日本での開催は初めて。同日、沖縄国際大学で1回目の実行委員会があり、日程などを確認した。

 大会は「弥勒世果報(みるくゆがふ)創(つく)いるしまくとぅば(豊かな社会を創るための言語)」(仮)をテーマに実施する。毎年9月、危機言語が存在する国で言語の発展などを目的に開いている。沖縄大会は「しまくとぅばの日」の9月18日を挟み、4日間開催する。
 危機言語学会は言語学の学会の中でも国際的に認知度が高く、世界各国に会員を有するなど影響力がある。例年50人以上の研究者らが登壇し、世界中の危機言語に関する研究成果を発表する。学会は「危機言語の活性化に有効な情報の収集と活用」も目的にしており、実行委はしまくとぅばへの見解を発表者らに求める考え。
 大会初日はオープニングセレモニーを開き、一般向けの講演会などを予定している。2、3日目は沖縄国際大学を会場に、研究者らが発表する。最終日は久高島を訪問し、島の言語や文化などの聞き取りをする。
 同学会会員で、しまくとぅばへの造詣が深いパトリック・ハインリッヒ獨協大学准教授は「危機言語に登録されている琉球諸語がある沖縄での開催は、非常に大きな意義がある」と強調した。(外間愛也)