オスプレイ「必要なら尖閣派遣」 四軍調整官異例の言及


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 在沖米軍トップのジョン・ウィスラー四軍調整官(海兵隊中将)は17日、着任のあいさつで県庁を訪れ、仲井真弘多知事と会談した。ウィスラー氏は米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて「尖閣にも到達できる能力があり、必要があれば日米同盟のために尖閣諸島に派遣することも考えられる」と語った。

在沖米軍関係者が公の場でオスプレイの尖閣派遣の可能性に言及するのは異例だ。
 ウィスラー氏はオスプレイについて「これまでの航空機と比べてパワーが大きく速度がある。より速く高い高度に到達することができ、騒音の軽減につながる」との考えを示した。安全性への懸念については「われわれの持っている航空機で最も安全だと言える」と述べた。
 一方、仲井真知事は「県民は(オスプレイに対する)不安を払拭(ふっしょく)し切れていない」とあらためて指摘。尖閣派遣の発言に対しては特に言及しなかった。
 ウィスラー氏は10月に高知、滋賀両県で実施するオスプレイを使用した日米共同訓練について「オスプレイが県外で行う訓練の一例になると思う」と述べ、県外への訓練移転に積極的に取り組む姿勢を示した。
 同氏は7月に四軍調整官に就任。米海兵隊第3海兵遠征軍(3MEF)司令官を兼務している。