名護市、外交情報を独自収集 シンクタンク加入へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【名護】名護市は19日までに、日米間の情報発信と政策を提言するシンクタンク「New Diplomacy Initiative(ND、新外交イニシアティブ)」(猿田佐世事務局長)に加入することを決めた。

市町村単位で外交関係のシンクタンクに加入することは異例。市はNDへの加入で、既存のメディアや外交ルート以外から情報を収集することや、名護市側の情報を発信したい考えだ。
 名護市は10月にも団体会員として加入する予定。2012年2月、稲嶺進市長が、普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるために訪米した際、沖縄の現状が米本国で認知されていなかったことなどから、現地とのネットワーク構築や米国からの情報をリアルタイムで収集する方法を模索していた。
 NDは今後、稲嶺市長が訪米行動する場合や米国に情報発信する案件があれば支援するという。猿田事務局長は昨年の稲嶺市長訪米行動に協力していた。
 NDは8月に設立。「外交の現場に届いてない声を外交現場に届ける」ことを主な目的としている。理事にジャーナリストの鳥越俊太郎氏や東京大学の藤原帰一教授、ジョージワシントン大学のマイク・モチヅキ教授、北海道大学の山口二郎教授が名を連ねる。
 市広報渉外課の仲里幸一郎課長は「基地問題であらゆる判断を求められる本市にとって有益だ」として、期待している。(仲村良太)

<用語>新外交イニシアティブ
 米軍普天間飛行場の返還・移設問題など沖縄の基地問題の実情や沖縄、日本にある多様な声を米国内へ正確に届けることなどを目的に、政策提言を行う研究機関。政策実現のため、各国政府や議会、大学、NGO、マスメディアなどに直接働き掛ける。情報収集やロビー活動、シンポジウム開催なども行う。
英文へ→Nago City Office signs up for diplomatic think tank