那覇空港滑走路増設後 空自の飛行5200回増を想定


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 2020年3月末から利用開始予定の那覇空港第2滑走路の環境影響評価書で、同空港を利用する自衛隊機の年間飛行回数が10年度の2万4466回から30年度は2万9639回と、5173回増加を想定していることが分かった。戦闘機のうちF15は10年度9530回から30年度は1万4805回と5275回増える。

民間機だけでなく、自衛隊機も飛行回数が増加し、滑走路増設後も軍民共用空港としての機能はさらに強化されることが浮き彫りになった。
 国の中期防衛力整備計画(11~15年度)は、F15の近代化改修や自己防御能力の向上を明記。南西地域で即応態勢を充実させるため、那覇基地に戦闘機部隊1個隊を移動させ、2個飛行隊へ改編し、強化する方針を定めている。評価書の自衛隊機の飛行回数などは、供用開始前に実施される部隊改編を反映させている。
 同評価書で飛行回数が記されている自衛隊機は23機種。F4戦闘機は、中期防衛力整備計画で別の新戦闘機を後継機とするため、10年度102回から30年度は0回を見込む。F15とF4以外は、10年度と20年度の飛行回数が同じと想定している。
 民間航空機は10年度10万4390回(1日286回)から30年度は13万3590回(同366回)へ増えることを想定している。
 航空機騒音は滑走路2本の運用方法の違いで予測。(1)既存滑走路を離陸専用、増設滑走路を着陸専用にする方式(2)離陸が増えた分を既存滑走路で運用する方式(3)離発着のピーク時間帯以外は既存滑走路を運用する方式-の3ケースを想定した。(1)と(3)は既存滑走路の陸側で現在の騒音測定値を上回るが、その他の場所では下回る見込み。(2)は全体として現在と同じかそれを下回る騒音が想定される。