宜野座、小禄の追撃かわす 県秋季高校野球第7日


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第63回県高校野球秋季大会第7日は21日、沖縄セルラースタジアム那覇で2回戦2試合を行った。宜野座は攻守に粘りを見せて小禄を4―2で破り、浦添商は先発の砂川優士が2試合連続完封で首里東に6―0で勝利した。

北谷公園野球場で予定されていた2回戦の那覇商―沖縄高専とコザ―石川は雨のため22日に順延となった。

◆士気の高さ粘り生む 宜野座
 4―1の九回裏。守る宜野座は1点を返され、なおも四球で2死一、二塁のピンチが続く。宜野座ナインはマウンドに集まり、エース伊保拓海の背中をたたいた。「お前ならできる」。笑顔の輪が解けた後、仲間の信頼を背に伊保が後続を中飛に仕留め、ベンチは歓喜に沸いた。
 「前半は上出来。後半はよく耐えてくれた」と東亮監督は振り返る。一回に1番から四球、犠打、安打とお手本のような形で築いた1死一、三塁から、スクイズと押し出しで2点を先制。二回にも1点を加えたが、三回以降は相手エースの前に打線が沈黙した。
 それでも、ベンチは明るかった。ホワイトボードにはマネジャーが書いた「笑顔」の文字。ゴロで倒れても「オッケーオッケー」、ヒットが出れば「もういっちょもういっちょ」と元気な声が飛ぶ。苦しんだ末に逆転勝ちした初戦を反省し、「この1週間、雰囲気を上げようとやってきた」と主将の當眞圭介はいう。
 伊保は疲れで制球に苦しみながらも、「追加点を取るまでは我慢」と低めを意識し再三のピンチをしのいだ。八回には2死から當眞と伊保の連打で待望の追加点を奪った。勝利を信じる士気の高さが、粘りに結びついた。
 「次も苦しい展開はあると思うけど、みんなで乗り切っていきたい」と當眞。全員野球で春の聖地を目指す。(大城周子)

◆変化球で凡打の山 浦商・砂川に達成感
 浦添商の先発・砂川優士が1回戦に続く完封と快投を見せた。大粒の汗を滴らせながら9回を投げ抜いた背番号10は「前の試合からいい感じで来ている。自信につなげていきたい」と達成感を漂わせた。
 雨で試合開始が遅れたが、ブルペンで調整を続けて集中力を切らさなかった。初回の無死一塁をけん制で切り抜けると、縦に落ちる変化球を効果的に使って、凡打の山を築いた。
 宮良高雅監督も「力が本物になりつつある。粘りも出てきた」と力投をたたえた。ただし、先を見据えて他の投手も起用したいのも本音。打線に対して、早い段階での得点という注文も忘れなかった。昨夏以来の甲子園へ、強豪はさらなる成長を誓う。

◇きのうの結果
▽2回戦
宜野座 4―2 小禄
浦添商 6―0 首里東

◇きょうの試合
▽2回戦
【セルスタ】9時
普天間―真和志
興南―沖尚
那覇商―沖高専
【北谷】9時
中部商―美来工科
那覇西―与勝
コザ―石川

宜野座―小禄 1回宜野座1死一、三塁、松川竜希のスクイズで先制のホームに滑り込む山城壮之(左)。捕手は譜久村允生=21日、沖縄セルラースタジアム那覇(大城周子撮影)
浦添商―首里東 汗を滴らせて力投する浦添商の先発・砂川優士