県、来年度から1室9部制に機構改革 部門制も導入


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 県は2014年度から組織改編を含めた大幅な機構改革をする方針を22日までに固めた。「沖縄21世紀ビジョン」の政策範囲に関連する部を大枠でくくる「部門制」を初めて導入。現行の1室8部制から、子育て支援などに取り組む、こども生活福祉部(仮称)、鉄軌道導入を含む交通政策などを担当する交通県土部(同)など1室9部制に編成する。

県は組織改編に向けた議案を県議会11月定例会に提出する。仲井真弘多知事は、県政2期目の最終年度となる14年度に自身の政策を実現する総仕上げのため、機構改革を図る考え。県の大規模な組織改編は11年度以来3年ぶり。
 機構改革の計画は、組織の在り方に関する基本構想「県組織ビジョン」としてまとめた。
 基地返還や離島振興など沖縄固有の課題の解決に向け策定した振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」を着実に実現していくことが目的。
 部門は、県全体の政策の司令塔となる「公室企画部門」のほか、「福祉保健部門」「環境交通県土部門」「産業振興部門」の四つ。部門ごとに課題の抽出や戦略の立案を行い、戦略会議議長を置くほか、知事、副知事を含めた全体戦略会議を設置する。
 部門制導入により、部局横断的な対応が必要な政策課題の効率的な解決を目指す。各部の独立性を確保した上で、関連部を「部門」として大きくくくる。
 一方、具体的な部局編成としては、現在の環境生活部の生活関連部署と福祉保健部を、こども生活福祉部(仮称)と保健医療部(同)に再編。環境生活部の環境関連と農林水産部の緑化関連を環境部(同)に、土木建築部と企画部の交通・跡地関連を交通県土部(同)に再編する。
 基本構想は「国の政策への適応を重視していた従来の組織では、沖縄の地域特性に起因する課題の解決を図ることは困難」として、部局横断的な組織体制の必要性を指摘している。
 仲井真知事は、2期目の実質的な初年度となる11年度に「文化観光スポーツ部」を創設。1室7部体制から1室8部体制に改め、文化環境部を「環境生活部」、観光商工部を「商工労働部」と改称した。(慶田城七瀬)