人材集約、センター化を 「北部医療」テーマにフォーラム


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本島北部の医療環境充実へ提言する(左から)小浜正博さん、大浜長照さん、大城凌子さん=18日、名護市民会館

 【名護】「北部地域医療にメッシュサポートの必要性は?」をテーマにしたフォーラム(名護青年会議所主催)が18日、名護市民会館で開かれ、へき地医療に携わる3氏が本島北部の医療環境充実へ持論を語った。

民間救急ヘリを運航するNPO法人MESHサポート理事長で北部医師会病院副院長の小浜正博さんは「次代に残す医療環境を整備するには市民一人一人が理解する必要がある」と市民参加による改革を訴えた。
 小浜さんは基調講演で、勤務経験があるオーストラリアの救急体制や現在の北部の医療体制などを比較。北部で医師・看護師が定着しない理由は金銭的待遇や過酷な勤務条件ではないとして、MESHが残ったのは「理想を語る仲間と理念があるからだ」と強調した。
 今後は少ない医療資源を有効に活用するため診療科ごとに人材を集約するセンター化を挙げた上で「医療のことを医師、看護師任せにせず、住民自身がどのような医療環境をつくりたいか声を上げるべきだ」と話し、住民と医療従事者、行政を交えた討論会開催を呼び掛けた。
 小浜さんを交えた討論では国頭村東部へき地診療所所長の大浜長照さん、名桜大看護学科講師の大城凌子さんが現状やMESHへの公的支援導入を提言した。