米アリゾナ州でオスプレイ緊急着陸 火災警報が誤作動


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 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】米アリゾナ州の地元紙「ヴェルデ・インディペンデント」などによると、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ1機が20日、同州にある民間のコットンウッド空港に緊急着陸した。同紙は火災警報が作動したとしている。

オスプレイをめぐっては6月にノースカロライナ州で機体が炎上、8月にはネバダ州で着陸に失敗し、炎上する事故が起きるなどトラブルが相次いでいる。
 機体の状態などは現時点で不明だが、何らかのトラブルが生じた可能性も考えられる。ヴェルデ・インディペンデントによると、着陸後、同機の操縦士はシステムの再起動を試みたが、警報器は通常の状態に戻らなかったため、同空港で整備することになった。
 6月の機体炎上の際、米軍は「機体の一部が焦げた」と公表、8月の事故の際には「ハードランディング(激しい衝撃を伴う着陸)」と説明していたが、後に米海軍安全センターは二つの事故を最も深刻な度合いに当たる「Aクラス」に分類した。米軍は両事故とも詳細な状況などは公表しておらず、原因究明がなされていないまま、今回の緊急着陸が発生した形だ。
 昨年9月には、米南部ノースカロライナ州の海兵隊ニューリバー基地所属のオスプレイが基地から約6キロ離れたジャクソンビルの市街地にある空き地に緊急着陸した。
 また2011年6月に米カリフォルニア州のミラマー基地の副司令官は琉球新報の取材に対して、09年12月のオスプレイ配備開始から11年6月の間に、機体の異常を示す警告による「予防着陸」(緊急着陸)が4回あったことを明らかにしており、緊急着陸が頻発している状況もある。