「沖縄シークヮーサー」地域商標を出願 類似品と差別化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「沖縄シークヮーサー」の地域団体商標を共同で出願したJAおきなわと県地域ブランド事業協同組合。ブランド力の強化へ意気込みを語る砂川博紀理事長(左)と長浜徳松理事長=24日、那覇市のJA会館

 JAおきなわ(砂川博紀理事長)と県地域ブランド事業協同組合(長浜徳松理事長)は24日、那覇市のJA会館で会見し、地域特産品の保護や競争力強化を図る地域団体商標制度を活用し「沖縄シークヮーサー」の地域団体商標を特許庁へ共同出願したと発表した。生産、加工、販売に関わる46事業者・団体が参画する全県的な取り組み。

地域団体商標を確保することで外国産類似品などとの差別化を図り、県産シークヮーサーのブランド力強化につなげる。
 20日に出願し取得は半年から1年後になる見通し。その間に管理規定などをまとめる。10月上旬には「沖縄シークヮーサージュース」と「沖縄シークヮーサードリンク」の共同出願も予定している。
 1990年代後半から2000年代前半にかけ、シークヮーサーはブームで需要が高まり、JAおきなわの加工用買い取り価格は05年に1キログラム当たり450円の最高値を更新した。しかし、安価な台湾産やフィリピン産の類似品流入などの影響を受け下落が続き、ブランド力の強化が課題となっていた。
 06年に施行された地域団体商標制度は地域ブランドを全国的に保護する仕組みで、地名を使った特産品が、その地域である程度有名になった場合に、地域の事業協同組合などの地域団体商標として商標登録することができる。
 全国的な知名度の獲得など諸要件を満たした場合を除き、従来は地域名と商品名からなる商標は登録を受けることができなかったが、同制度でより早い段階で登録できるようになった。
 砂川理事長は「この2年、台風の影響で減産している。ブランド化には安定供給していくことが大事だ。生産量をしっかり確保し、県産シークヮーサーの消費拡大につなげていきたい」と意気込みを語った。
 県地域ブランド事業協同組合は県内の農業生産法人や飲料メーカーなど7社で構成する。長浜理事長(沖縄ハム総合食品会長)は「農家と加工業者が一緒になってシークヮーサー産業を盛り上げていきたい」と話した。