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県指定無形文化財「沖縄伝統音楽箏曲」保持者、仲嶺貞夫の初の独演会「絃(いと)の音色」が8日、浦添市の国立劇場おきなわであった。仲嶺盛竹師から習った稽古始めに調弦を確かめる曲「絃の音色」に始まり、琉球箏曲の出発点である伝来曲、未来を模索する創作曲などを披露した。
48年の芸道をたどるとともに、箏曲の普及・発展への情熱がこめられた構成だった。
第1部は伝来曲10曲を一挙に演奏した。ミスもあったが、1曲ずつ丁寧に解説するなど、箏曲の魅力を伝えたいという思いが感じられた。第2部は創作曲「春の菅撹(すががち)」「めあて節」を披露した。「めあて節」は、一人で5人の子を育てた母を「夜星(ゆるふし)ぬぐとぅに我身(わみ)ぬみあてぃ」と歌った。
第3部は客演を迎えて思い出の曲を並べた。「仲間節」は盛竹師がいつも口ずさんでいた曲。「子守節(くむいぶし)」は、貞夫が35年勤めた特別支援学校で演奏していたという。最後は「だんじゅかりゆし」で新たな門出を祝った。
創作曲は「春の菅撹」に続き、夏、秋、冬も作曲する予定という。今後も意欲的な活動に期待したい。