津嘉山酒造所施設 仮想・赤瓦で修復支援、寄付募る


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津嘉山酒造所施設の修復支援へ音楽と泡盛を楽しみつつ語り合う参加者=21日、名護市大中の同施設

 【名護】国指定重要文化財「津嘉山酒造所施設」の保存・修復を目的としたプロジェクト始動式(津嘉山酒屋保存の会主催)が21日、名護市大中の同施設で開かれた。「みんなで守ろう地域の宝」を合言葉に、インターネット上に作る「バーチャル(仮想)赤瓦」の完成を目指し、1口千円で寄付を募る「赤瓦結マール企画」などが発表され、市民の協力を呼び掛けた。

 津嘉山酒造所施設は築80年を超え、老朽化のため修復作業が2011年から行われており、国、県、名護市、所有者が修復費を負担する。「赤瓦企画」は修復費用として1口千円から寄付できる。寄付した人には通し番号付きのコースターが贈られる。番号が仮想の赤瓦と連動し、寄付が増えるほど、屋根の赤瓦が増え、完成する様子をネットで確認できる。
 近く修復が終わる「麹(こうじ)屋」(麹を発酵させる仕込み用の建物)の屋根を仮想空間に作り、4千口を目標にする。
 このほか記念ボトル制作や保存の会会員への参加呼び掛けがあった。名護市を拠点に活動するやんばるヒートオーケストラや那覇市栄町から応援のために訪れたミュージシャンらが演奏を披露、音楽と泡盛を楽しんだ。
 保存の会の比嘉伝英会長は「津嘉山酒造所は泡盛を造る施設として戦前から残る唯一の場所。名護市内だけでなく広く県内、県外の人にも関心を持ってほしい」と話した。