米海兵隊、本国遠征軍を縮小 財政難で沖縄部隊改編も


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世界の海兵隊遠征軍(MEF)司令部

 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】米海兵隊は国防費の強制削減を受け、米西海岸カリフォルニア州、米南部ノースカロライナ州、沖縄のうるま市に司令部を構える三つの海兵遠征軍(MEF)のうち、ノースカロライナの2MEF司令部を廃止し、バージニア州ノーフォークの海兵隊総軍へ統合することが分かった。

財政難から海兵隊最大の編成単位であるMEFを二つに縮小し、組織を再編する。ノーフォーク統合後の司令部は沖縄とカリフォルニアの二つのMEFを補完する役割を担う。沖縄の3MEFにも影響する可能性があり、在沖部隊の改編も検討されている。
 海兵隊はこれまで米四軍の中で最も強い政治力を背景に、度重なる縮小論に対抗し、組織を維持してきた。だが国防費削減の影響を避けられず、最大規模の編成部隊が一つ減ることを余儀なくされる形だ。
 再編は、海兵隊配置計画を担当するマッケンジー少将が19日、海軍連盟が開いたワシントン近郊での朝食会で明らかにした。来年2月に発表する「4年ごとの国防計画見直し(QDR)」に反映する。
 2MEFは司令部を除く航空部隊や補給部隊はノースカロライナに残り、2MEF司令部の傘下にある第2海兵遠征旅団(2MEB)の司令部機能を強化して独立運用し、迅速な展開力を持つ部隊に再編する。
 23日付の海兵隊専門紙マリンコー・タイムズによると、マッケンジー氏は「米東海岸と太平洋のMEBを強化する」と述べ、沖縄の3MEBも改編を検討していることを明らかにした。同紙は海兵隊の配置方針について「大規模で長期的な戦闘よりも、主に危機に対応することに焦点を当てる」と解説した当局者の声を紹介した。
 同氏は再編案について「アジアへのピボット(軸足移動)戦略への影響を避けられる」と説明。一方でヘーゲル国防長官は、海兵隊が最低17万4千人の兵力が必要だと主張しているのに関し、現在の約19万5千人から最少15万人にまで縮小する可能性もあると述べている。国防費削減が長期化した場合、さらなる再編に着手する可能性もある。