「不屈館」で美術展 ピカソの絵など多彩な芸術品展示


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 瀬長亀次郎氏が収集した資料を公開する那覇市若狭の「不屈館」(内村千尋館長)で、瀬長氏に贈られた美術品や工芸品を展示する「秋の美術展」が開かれている。瀬長氏がフランスの平和団体から寄贈されたピカソの絵や、県外の画家から贈られた大型の絵画など120点を展示している。

 美術展は10月31日まで。ピカソの絵は、瀬長氏が1971年にフランスを訪問した際、平和団体から贈られたもの。平和の象徴であるハトの絵と、花束を握る手を描いた2点がある。瀬長氏は衆院議員時代、議員居室に飾っていた。
 26日からは、自らの体験を基に戦争の悲惨さを訴える絵を描き続け、2010年に死去した東京都のアマチュア画家・矢口正和さんから寄贈された3点を展示している。
 矢口さんは瀬長氏と交流があり、「亀さんと赤い道」と題した絵を残していた。遺族の意向で同作品を含む3点が26日、不屈館に届けられた。
 内村館長は「自宅に眠っていた貴重な作品が多くあった。亀次郎自身も琉球漆器を学んでいたことがあり、文化や芸術を大切にしていた。亀次郎が大事にしたものをぜひ見てほしい」と来場を呼び掛けた。

矢口正和さんの遺族から贈られた絵画を紹介する内村千尋館長。中央の絵が「亀さんと赤い道」=26日、那覇市若狭の不屈館
フランスの平和団体から寄贈されたピカソの絵=26日、那覇市若狭の不屈館