県立久米島高校の生徒減少や園芸科の廃科方針を受け、久米島町は27日、2014年度から島外、県外から生徒を募集すると発表した。同校は10月12日に大阪、同14日に東京で学校説明会を開く。町を挙げて全国から生徒を募集するのは県内で初めて。平良朝幸町長や半嶺通男校長らは27日、県庁で記者会見した。学校を核とした新たな町おこしとしても注目されそうだ。
久米島町の子どもの数は年々減少しており、さらに中学生の3割が卒業後に沖縄本島に進学する。久米島高校の本年度の入学者は75人で、定員120人を大幅に下回った。特に園芸科は減少傾向が顕著で、県教育庁の県立高校編成整備実施計画では、16年度の入学生を最後に同科の募集停止を明記している。
久米島町は町の活性化とともに生徒増を目指そうと、本年度から「高校魅力化事業」を始めた。6月には学校のPRを主な仕事とする支援嘱託員を外部起用した。高校生のラジオ出演や、姉妹都市を結ぶハワイの高校への短期留学など、魅力づくりに取り組んでいる。
全国からの生徒の受け入れに向け、先進事例となる島根県の隠岐島前高校を実際に訪れて手法を学ぶなど、町内で勉強会を重ねてきた。
生徒は一般家庭が里親となって受け入れる。現在、町が各家庭を回り協力を求めている。生徒数が増えれば寄宿舎の建設も検討するという。
受け入れる生徒数は14年度に少なくとも5人、15年度に10人以上を目標としている。
久米島高は10月12日に大阪の大正沖縄会館、同14日に東京の東京国際フォーラムで学校説明会を開く。島と高校を紹介し、受け入れ体制について説明する。
平良町長は「(海洋深層水など)久米島には全国に誇れる産業がある。島外、県外に生徒を募集し、島の将来を担う人材を育成したい」と話した。